２２億円をさかのぼって支払う・・・とは？

・・・とはなんのことかと言うと、残業代の支払い、です。

　東京労働局は先日1月16日に平成25年度における賃金不払い残業の是正結果をまとめたものを発表しました　→　http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0138/5907/2015119102312.pdf

　それによると、割増賃金が適正に支払われていないとして是正指導した企業のうち、遡及支払い額が100万円以上になったのは142社、支払い額は22億円に上ったそうです（25年4月～26年3月）。

　多店舗を展開する企業での不払い事案がめだち、対象労働者数が前年度の2倍に当たる約3万人へ増えているのが特徴的です。

　具体的なケースでは以下のようなケースで支払金額が1億円を超えたものとして紹介されています。

• 労働時間の把握は自己申告により行われていたが、ＩＤカードで記録された在社時間と労働時間として把握されている時間の差の中に未把握の労働時間があり割増賃金の不払が発生したもの。 
  
  
• 割増賃金の支払いは申請に基づき行っていたが、申請時間に上限が設けられ、上限を超えての申請が出来ない等により割増賃金の不払が発生したもの。 
  
  
• 始業・終業時刻の記録は勤怠管理システムにより行われていたが、割増賃金は別途時間外労働として申請・承認をうける必要があり、申請漏れによる割増賃金の不払が発生したもの。 
  
  
• 割増賃金の単価計算に参入すべき手当を参入しておらず、また、労働時間として取り扱うべき研修時間を労働時間として取り扱っていなかったほか、時間外労働時間の申請漏れによる割増賃金の不払が発生したもの。